そそっかしい兄カエルと臆病な弟カエル
二人の兄弟ガエルは山登りをする事にしました。
そそっかしい兄カエルは早速出発しました。臆病な弟カエルは中々出発できません。
ようやく弟カエルが出発し、山の3合ほど登ると「この先岩多し。靴はかざるカエルは帰るべし」と書いてありました。
兄は弟カエルのために注意書きをしたようです。弟カエルは一度家に帰って二足分の靴を持ってきました。
岩を越え、山の6合ほど登ると
「この先イバラ多し。羽織なきカエルは帰るべし」と書いてありました。
兄はずいぶん先まで進んでるようです。弟カエルはまた家に帰って二人分の羽織を持ってきました。
イバラをくぐり、山の9合ほど登ると
「この先日陰なし。帽子被らざるカエルは帰るべし」と書いてありました。
頂上はもうすぐでしたが、またまた家まで帰り二人分の帽子と水を持ってきました。
サンサンと降り注ぐ太陽の下、ずいぶん汚れた足、擦り傷だらけの背中、干からびかけている兄にようやく追いつきました。
「兄さんしっかりして!」
弟カエルは兄カエルに水を飲ませて介抱し、靴と羽織と帽子を着せました。
二人は一緒に頂上に着きました。
兄カエルは言いました。
「弟カエルが後から出発してくれたおかげで頂上まで登れた。ありがとう」
弟カエルは言いました。
「兄さんが先に出発してくれたおかげで頂上まで来れたよ。ありがとう」
0 件のコメント :
コメントを投稿
コメントいただけると励みになりますのでよろしくお願いします。