音のまぺ
カエルがケロケロと歌ってぴょんぴょんとはねています。
穴からモグラが顔をのぞかせます。
「カエルくんは楽しそうに歌って跳ねるね。君がうらやましいよ」
「モグラくんは歌ったり跳ねたりしないのかい」
モグラは少し困って言いました。
「歌うよ。時々は。それに跳ねたりはしないけど、僕たちは掘りながら進むんだ」
「どんなふうに?」
モグラは少し考えて答えました。
「君みたいに大きな声は出せないけど、天気がいい時は穴から鼻だけ出して鼻で歌うんだ」
「じゃあスンスン歌うんだ」
「スンスンか。そう、スンスン歌うんだよ」
モグラは嬉しくなってきました。
「穴を掘るときは前足でズッ、ズッと掘って、その掘った土は後ろ足でズイと押しやるんだ」
「ズッズイズッズイ掘り進むんだね」
「そうそう、ズッズイズッズイ掘るんだ」
カエルは笑いながら言いました。
「君だって楽しそうに歌うし掘ってるじゃないか」
0 件のコメント :
コメントを投稿
コメントいただけると励みになりますのでよろしくお願いします。